アカハライモリの毒の成分がもたらす恐怖!皮膚に触れるだけで死ぬ可能性も?

イモリの毒はどれくらい危険?アカハライモリの驚くべき毒性とは

イモリは小さくて可愛らしい動物ですが、実は毒を持っていることをご存知でしょうか?

イモリのお腹にある赤と黒の模様は、毒を持つことを敵に知らせる警告色なのです。しかし、イモリの毒はどのような成分で、どれくらい強いのでしょうか?

また、人にとってはどのような影響があるのでしょうか?

この記事では、イモリの毒性や危険性について詳しく解説していきます。イモリに興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。

イモリの毒の成分はフグと同じテトロドトキシン

イモリは両生類の仲間ですが、多くの両生類は体を細菌などから守るために、皮膚などから毒を分泌しています。

その中でも、日本で最も馴染みのあるアカハライモリは、フグの毒で有名なテトロドトキシンという強力な毒の成分を持ち合わせています。

テトロドトキシンは、神経を麻痺させる作用があり、青酸カリの約1000倍の毒性を持ちます。また、解毒剤はありません。

日本の両生類で明確にテトロドトキシンを持っていると示されているのは、アカハライモリだけのようです。

テトロドトキシンってどんな毒?

テトロドトキシンは、一部の細菌や動物によって生産される強力な神経毒です。フグやイモリなどの毒の成分として知られています。

テトロドトキシンは、神経や筋肉のナトリウムイオンチャネルを遮断して、神経伝達を妨げます。

そのため、テトロドトキシンを摂取すると、しびれや麻痺、呼吸困難、意識障害などの重篤な症状が現れます。

テトロドトキシンの致死量は人によって異なりますが、およそ1-2mgと言われています。テトロドトキシンは加熱しても分解されないので、調理方法によっては毒性が残ります。

テトロドトキシンに対する解毒剤や特効薬はありません。治療法は、胃洗浄や人工呼吸器などの対症療法です。

テトロドトキシンは体内で8時間程度で代謝されるので、その間に呼吸を維持できれば回復の可能性があります。

テトロドトキシンによる食中毒を予防するには、フグ調理の資格を持った人による適切な処理をされたものを食べることが大切です。

また、フグの内臓や皮などの毒性の高い部位は絶対に食べないようにしましょう。

テトロドトキシンは非常に危険な毒ですが、正しい知識と注意を持って、美味しいフグ料理を楽しむことができます。

テトロドトキシンを克服した料理はあるの?

テトロドトキシンを克服した料理というのは、テトロドトキシンを含む食材を加工や発酵などの方法で毒性を減らして食べられるようにした料理のことです。

テトロドトキシンは加熱しても分解されないので、毒性の高い部位は絶対に食べないようにしなければなりませんが、一部の地域では伝統的な技法でテトロドトキシンを克服した料理が存在します。例えば、以下のような料理があります。

ふぐの子糠漬け

フグの卵巣を塩漬けにして糠床に漬け込むことで、テトロドトキシンの一部が分解されると言われています。長崎県の五島列島では、郷土料理として親しまれています。

ハコフグの甲羅焼き

ハコフグのお腹を丸く切って内臓を処理した後、ハコフグの身と味噌、酒、きざみネギなどを混ぜ合わせ、再び甲羅に戻しホイル焼きにした料理です。ハコフグの皮にはテトロドトキシンがあるので、皮を食べないように注意が必要です。

これらの料理は、テトロドトキシンを完全に無毒化したわけではないので、食べる際には十分に注意が必要です。

また、素人が自分で調理するのは非常に危険です。テトロドトキシンを克服した料理は、伝統的な技法や知識を持った人によって作られたものを信頼して食べるようにしましょう。

イモリの毒は触っても大丈夫?目に入ると危険?

テトロドトキシンは最も有名な神経毒ですが、アカハライモリを触っただけでテトロドトキシンが原因での死亡例はありません。

フグの毒も同じテトロドトキシン由来ですが、イモリの皮膚にあるテトロドトキシンは薄いと言われています。

触る分には問題がないですが、目に入ると危険で痛みが伴ったり、炎症を起こすと言われています。

両生類やイモリに限った話ではなく、生き物を触った際にはちゃんと手を洗うことが大切ですね!

特に子供はこういった生き物を触った後に目をこすってしまったりすることがあるので注意しましょう。

イモリの黒焼きは食べても大丈夫?テトロドトキシンは加熱しても分解されない

イモリは江戸時代から精力剤としてイモリの黒焼きが販売されていたり、一部の地域ではイモリを焼いて食べる場所もあるようですが、死亡例はないようです。

テトロドトキシンの毒性について調べると、300℃以上に加熱しても分解されないので注意が必要で、人が口から摂取したときの致死量は1‐2mgという記載があります。

その点、食べられていたりする事例を考慮すると、アカハライモリに含まれるテトロドトキシンは弱くて量も少ないのでしょう。

また、テトロドトキシンを持つ全ての生物が常に毒を蓄積している訳ではなく、生息地や時期によって毒量は変化するようです。

恐らくこちらは食べる餌などによって変わると考えられています。実際、イモリは毒を保有する理由は捕食者からの防衛と細菌などから身を守ることだと言われていますが、サギ類の鳥にはまるで毒がないかのように捕食されているので、毒の効果は生物によって異なるようです。

ただ、ヘビがイモリを捕食したことでテトロドトキシンの毒でやられたのか、水中で死んでいる事例はありました。捕食者によっては毒が効くようなので、どちらにせよ我々人間もイモリに触れたらよく手を洗っておきたいですね。

まとめ

この記事では、イモリの毒性や危険性について詳しく解説しました。

イモリの毒の成分はフグと同じテトロドトキシンで、非常に強い神経毒ですが、イモリの皮膚にあるテトロドトキシンは薄くて量も少ないので、触っても大丈夫です。

ただし、目に入ると危険なので注意が必要です。また、イモリの黒焼きは食べても大丈夫ですが、テトロドトキシンは加熱しても分解されないので、毒があると知ってて食べる必要性はないでしょう。

イモリは毒を持つことで自分を守っているのですが、毒の効果は生物によって異なります。

イモリに興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。イモリは可愛らしい動物ですが、毒を持っていることを忘れずに、適切に扱ってあげましょう。